森和俊教授ショウ賞受賞

カテゴリー: DMC News, General Science Items

香港のショウ賞は、天文学、生物科学・医学、数学の分野における優れた業績を世に広く知らしめるために2004年に設立されました。年に一度、上記分野で際立った業績を挙げた研究者に授与されます。

ショウ賞は受賞と言う名誉のみならず、財団から各部門の受賞者に賞金総額100万米ドル(約1億円)が授与される大変栄誉ある賞です。

今年の生物科学・医学部門は、小胞体ストレス応答に関して先駆的な研究を行った森和俊教授とPeter Walter教授の共同受賞となりました。

DMC社一同、森教授のショウ賞受賞を心よりお慶び申し上げますと共に森教授の益々のご活躍を祈念致します。
 


森和俊教授ラスカー賞受賞

カテゴリー: DMC News

京都大学 森和俊教授の2014年ラスカー賞受賞をDMC一同、心よりお慶び申し上げます。

今回の賞は、森教授の小胞体ストレス応答 - 小胞体に存在する有害な構造異常タンパク質を検出し、矯正手段を講ずるために核へ情報を伝達する細胞内品質管理システム – に関する諸発見に対して授与されました。

受賞に関するニュース映像はこちら

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00277050.html

当社は2005年以降、森教授の研究室の論文の全ての英文校正を承っており、森教授の研究室ウェブサイトも当社が作成しました。英文校正をさせて頂いた論文の中には、今回のラスカー賞受賞のきっかけとなる論文も含まれております。また、ラスカー賞受賞式のスピーチ原稿のブラッシュアップもさせて頂きました。微力ではございますが、森教授のお手伝いをさせて頂いている事を当社は大変誇りに思っております。

これまでの森教授の重要な研究をお手伝いする機会を頂いた事に感謝すると同時に、今後の研究につきましても、引き続きサポートさせて頂きたいと思っております。
 


PLOS ONEのデータポリシー

カテゴリー: Publishing

第三者が、論文の資料とデータの閲覧をすることにより、その論文の研究結果の正当性を確認できるならば、科学研究は世界規模でより盤石なものとなるでしょう。これに関する最近のトピックの一つがPLOS ONE誌 (http://www.plosone.org/static/information; eISSN-1932-6203) による提案です。PLOS ONEは国際的なジャーナルで査読された科学および医学の全領域のオリジナル研究論文をオープンアクセスでオンライン出版しています。2013年12月にPLOSは次のようなデータポリシー (http://www.plos.org/data-access-for-the-open-access-literature-ploss-data-policy/) をはじめて発表しました。

研究結果へ即座に無制限にアクセスできるようにすることが常にPLOSの重要な指命であり、オープンアクセス運動を広めるためにも必要であった。しかし、研究結果の裏付けとなったデータにも研究結果と同じ様にアクセスできないとしたら、その論文の有用性は限定されたものとなってしまう。そのため、当ジャーナルに発表された論文について著者以外の研究者が試験を再現、再分析、あるいは結論導出の検討を希望した場合、PLOSは常にデータを提供するように著者に要求してきた。

我々は現在、すべてのPLOSジャーナルでのデータ共有方針を次のように改訂中である:著者は論文の出版後、すべてのデータを制限なしに、直ちに公開しなければならない。2014年3月3日以降、PLOSジャーナルに投稿する全ての著者は、どこでどのようにすれば第三者が研究結果の基になったデータにアクセスできるのかを述べた「データ可用性に関する陳述書」の提出が求められる。」

(PLOS’ New Data Policyより)

PLOSへの投稿論文数の今後の動向に興味が持たれるところですが、何らかの影響があるとしても、数字として表れるのには数年を要するものと思われます。一方で、このような方針が出されると、ジャーナルのデータポリシーとインパクトファクターとの関連性を評価する統計学の新しい分野がすぐに出来る可能性があります。そして、この新たなデータ開示システムは、発表された論文の中から疑わしいものを見つけるのに利用される様になるかも知れません。
 


「recent」の本当の意味

カテゴリー: Language/Grammar

論文読者の大多数は、「最近の (recent) 論文」とは過去12箇月以内に出版された論文を意味すると考えています。一方、DMCに相談してくる執筆者のほとんどは、過去5〜10年に出版された論文を「最近の論文」と考えています。「最近の」という表現の意味を、読者に正確に伝えるため、できるだけ本文中や引用文献に当該論文の出版年を記載する様にするべきでしょう。

あなたの論文は(オンラインでもハードコピーでも)時として出版までに予想外の期間を要することもあり、それが出版される時には引用文献のほとんどが「最近の論文」ではなくなっているかもしれないのです。
 


ノセボ現象–インフォームドコンセントとの板挟み

カテゴリー: General Science Items

プラセボ現象のことは良く知られています。ではその反対の効果である「ノセボ現象」について聞いたことがありますか?

Journal of the German Medical Associationに問題提起の論文が掲載されました。その内容は、医師や看護士が患者に実施する医療的ケアの結果について十分な情報を伝えようとすると、それが薬の副作用や、医療処置による不快症状を悪化させるかも知れないというものです。この背景には「ノセボ効果」という現象があります。次の文はその論文からの引用です。

ノセボ現象は臨床診療で普通に見られるもので、最近は基礎研究者や臨床医師、倫理学者の間でよく研究・議論されるトピックとなっている。

2013年12月5日にPubMed検索した結果、「ノセボ」についての論文は213編、そのうちの20%が実証的研究、それ以外は編集者への手紙 (Letter to the editor)、解説、論説、総説でした。一方、「プラセボ」についての論文は165,000編にのぼりました。
 
ノセボ現象とはどのぐらい強いものなのでしょうか。三環抗うつ薬(TCAs; 21 論文)および選択的セロトニン再吸収阻害薬(SSRIs; 122 論文)の無作為対照試験の総説によると、有害事象の発生率はTCA試験(投与群とそのプラセボ群)の方が SSRI試験(投与群とそのプラセボ群)より有意に多く、 TCAのプラセボを投与された患者では、SSRIプラセボを投与された患者に比べ、口渇(19.2% 対 6.4%)、視覚異常(6.9% 対 1.2%)、疲労(17.3% 対 5.5%)、便秘(10.7% 対 4.2%)を訴える率が有意に多かったとの事です。

著者はさらに次のように述べています:

医師は提案した治療法について、患者が十分な情報に基づいて受け入れを決断できるように、それを実施した場合に起こりうる副作用について知らせざるを得ません。
一方、医師は状況説明に伴って生ずるリスクを含め、医療介入が患者に及ぼすリスクを最小に抑えなければなりません。患者への説明がノセボ反応を引き起こすかも知れないのに...


 < 1 2 3 4 >  Last ›